英語を勉強していると、「この名前、英語ではどういう意味なんだろう?」と立ち止まる瞬間はありませんか。たとえば Statue of Liberty 誰もが知っている有名な名前ですが、liberty がなぜ freedom ではないのか、考えたことはあるでしょうか?
一方で、ニューヨーク観光を計画していると、
「自由の女神像って結局どんな意味があるの?」
「せっかく行くなら、少しは背景を知ってから見たい」
と思う人も多いはずです。実はこの像、見た目以上にメッセージ性の強い建造物なのです。
この記事では、the Statue of Liberty(自由の女神像)の名前の由来を英語のニュアンスからひも解きつつ、建設に関わった人物や歴史的背景、そして実際に観光で訪れる際の行き方までをまとめて解説します。
英語学習者にとっては「単語の選び方に込められた思想」が見え、旅行者にとっては「知ってから見ると印象が変わる」知識が手に入る内容です。写真を撮る前に、ぜひ一度読んでみてください。
この記事を読むとわかること
・Statue of Liberty(自由の女神像)という名前の本当の意味
・liberty と freedom のニュアンスの違い
・自由の女神像が生まれた歴史的背景と建設秘話
・観光で行く場合の具体的な行き方と最寄り地下鉄駅
自由の女神像はなぜ「Statue of Liberty」と呼ばれるのか
英語名の Statue of Liberty は、とてもストレートです。
statue は「像」、liberty は「自由」。つまり直訳すると「自由の像」。
ただし、この liberty は単なる「自由気まま」という意味ではありません。アメリカ独立の理念である「抑圧からの自由」「権利としての自由」を象徴する言葉です。
英語では liberty と freedom はどちらも「自由」と訳されますが、ニュアンスは少し異なります。
liberty は、法律や政治、社会制度の中で保障される「権利としての自由」を指す言葉です。外からの支配や抑圧が取り除かれた状態、いわば「与えられ、守られる自由」というイメージがあります。
一方で freedom は、もっと日常的で感情に近い自由です。「好きなことができる」「縛られていない」といった、個人の感覚としての自由を表します。
例えば、言い方を比べると次のようになります。
・freedom of choice(選択の自由)
・freedom to travel(旅行する自由)
・civil liberties(市民の自由)
・liberty and justice for all(すべての人に自由と正義を)
アメリカ独立宣言や憲法の文脈では、個人の気分的な自由ではなく、国家が守るべき理念としての自由が重視されるため、freedom よりも liberty が選ばれました。

正式名称は意外と長い?フランス語の本当の名前
自由の女神像の正式名称は、英語ではなくフランス語です。
La Liberté éclairant le monde
(直訳:世界を照らす自由)
英語では Liberty Enlightening the World と訳されます。
女神が掲げるトーチは、「世界を照らす自由の光」を象徴しています。

この名称には、「自由という価値が国境を越えて広がっていく」という強い思想が込められています。単なる記念碑ではなく、理念そのものを形にした存在であることが、名前からもはっきり読み取れます。
では、ここでひとつ疑問が浮かびます。
英語名もフランス語名も、どちらも直訳すれば「自由の像」なのに、日本語ではなぜ「自由の女神像」と呼ばれているのでしょうか。
その理由は、「liberty(自由)」が西洋文化では女性として擬人化される概念だからです。
古代ローマには、自由を司る女神「リベルタス(Libertas)」が存在しました。バルトルディはこの女神像をモチーフのひとつにしており、自由は抽象概念でありながら、女性の姿で表現される伝統があったのです。
一方、日本語では「自由の像」とだけ言うと、やや無機質で意味が伝わりにくくなります。そこで、「女神」という言葉を補うことで、
・人格を持った存在であること
・精神的・象徴的な存在であること
を直感的に伝えられるようにしたと考えられています。
つまり「自由の女神像」という日本語名は、単なる意訳ではなく、像の思想や背景を理解したうえで生まれた、かなり的確な翻訳なのです。
自由の女神像が生まれた背景|フランスとアメリカの特別な関係
自由の女神像はアメリカが単独で建てたものではありません。
19世紀、フランスの知識人たちが「自由と民主主義の象徴」をアメリカに贈ろうと計画したのが始まりです。
背景には、フランスがアメリカ独立戦争を支援したという歴史があります。アメリカの独立は、フランス革命にも思想的な影響を与えました。
自由の女神像は、両国の「自由をめぐる理想の共有」を形にした外交的シンボルでもあります。
建設のきっかけは「アメリカ独立100周年」だった
像の建設が計画されたのは、アメリカ独立100周年を記念するためでした。
当初の完成目標は1876年。しかし資金不足や技術的課題により遅れ、最終的に完成したのは1886年です。
記念年に間に合わなかったのも、自由の女神像らしい人間味のあるエピソードです。
誰が作った?自由の女神像に関わった人物たち
像をデザインしたのは、フランスの彫刻家フレデリック・オーギュスト・バルトルディ。
巨大な女性像という大胆な構想を形にしました。
内部構造を設計したのが、後にエッフェル塔を建てるギュスターヴ・エッフェルです。
外見の芸術性と、内部の工学的合理性が融合した点が、この像の最大の特徴です。
像の中身はエッフェル塔と同じ発想だった?
自由の女神像は何でできている?素材から見る建築の工夫
まず、自由の女神像の素材を整理すると、構造は大きく3つに分かれます。
・外装:銅(どう)
・内部構造:鉄(現在は一部ステンレス鋼に置換)
・台座:コンクリートと花崗岩
女神の外側は、厚さ約2.4ミリ(3/32インチ)ほどの銅板で覆われています。これは、アメリカの10セント硬貨を2枚重ねた程度の薄さです。非常に薄く感じますが、この銅板はハンマーで叩いて成形する「レポゼ(repoussé)」という技法で作られました。この薄さだからこそ、像全体の総重量を抑えつつ、エッフェルが設計したしなやかな内部骨組みで支えることが可能になりました。
銅は加工しやすく、耐久性が高い金属です。時間とともに表面が酸化し、現在の緑色(緑青)になりますが、実はこの緑青が内部を保護する役割を果たしています。
内部の骨組みには、当初は鉄が使われていました。設計を担当したエッフェルは、外装の銅と内部の鉄を直接固定せず、絶縁材を挟むことで腐食を防ぐ工夫をしています。
ただし20世紀後半の大規模修復(1980年代)では、劣化した鉄部材の多くがステンレス鋼に置き換えられました。これは、現代の材料技術を取り入れつつ、オリジナルの構造思想を維持するための判断でした。
台座部分は、コンクリートと花崗岩で作られています。見た目以上に重量があり、強風や振動から像全体を支える役割を担っています。
こうして見ると、自由の女神像は「銅・鉄・石」という、19世紀当時に入手可能だった素材を最大限に活かしながら、100年以上耐えうる構造を実現した、非常に合理的な建造物だったことがわかります。
自由の女神像の内部は、鉄骨フレーム構造になっています。外側の銅板は内部構造に直接固定されず、風や温度変化に対応できる設計です。
この考え方は、エッフェル塔とほぼ同じ発想です。巨大建造物を「軽く・しなやかに」作るという近代建築の転換点でもありました。
では、この建設方法は、現在の建築技術と比べるとどのような位置づけになるのでしょうか。
19世紀後半の建築では、設計は職人の経験と試行錯誤に大きく依存していました。自由の女神像も、現代のようなコンピューター解析は使われておらず、荷重や風圧への耐性は、模型実験や理論計算によって慎重に検証されていました。
一方、現代の高層建築では、構造解析ソフトやシミュレーション技術を用いて、地震・強風・温度変化などを事前に精密に予測します。素材も、高性能鋼材や複合素材が使われ、より軽く、より強く設計されます。
それでも、自由の女神像の基本思想は今も変わっていません。外装を完全に固定せず、わずかな「遊び」を持たせることで、長期間にわたり構造を守るという発想は、現代建築でも重要な原則です。
なぜニューヨーク港なのか?リバティ島が選ばれた理由
ニューヨーク港は、当時アメリカ最大の玄関口でした。
ヨーロッパから船でやって来る移民が最初に目にする場所です。
その入り口に自由の女神像を置くことで、「ようこそ自由の国へ」という無言のメッセージを伝えました。
立地そのものが、像の意味を完成させています。
女神が持つトーチ・書物・足元の鎖が象徴するもの
トーチ:自由の光、啓蒙
書物:法と知識(独立宣言の日付が刻まれている)
足元の鎖:専制や抑圧からの解放
どれも偶然ではなく、徹底的に象徴性が計算されています。
足元の鎖は見落とされがちですが、像のテーマを最も端的に表しています。

自由の女神像は「移民の象徴」になった理由
19世紀後半から20世紀初頭、多くの移民がエリス島を通ってアメリカに入りました。
彼らが最初に見た巨大な像が、自由の女神像です。
希望、不安、再出発。そのすべてを受け止める存在になりました。
「移民の国アメリカ」を象徴する意味は、後から自然に付加されたものです。
実は完成までにトラブル続出?資金難と市民参加の歴史
自由の女神像の建設は、最初から順風満帆だったわけではありません。むしろ「理想は壮大、現実は資金不足」という状態が長く続きました。
当初の計画では、像本体はフランス、台座はアメリカがそれぞれ費用を負担するという分担制でした。しかしフランス側でも制作費の調達は簡単ではなく、バルトルディは何度も募金活動や展示を行い、少しずつ資金を集めていきました。
一方、アメリカ側はさらに深刻でした。台座建設のための資金がなかなか集まらず、計画は一時中断状態に陥ります。「本当に完成するのか?」と疑問視する声も少なくありませんでした。
この状況を大きく動かしたのが、新聞王ジョセフ・ピューリッツァーです。彼は自身の新聞『ニューヨーク・ワールド』で募金キャンペーンを展開し、「1ドル以下の寄付でも、すべての寄付者の名前を紙面に掲載する」と宣言しました。
すると、裕福な支援者だけでなく、移民や労働者、子どもたちまでが少額の寄付を寄せるようになります。結果として、台座建設に必要な資金は市民の力で集められました。
このエピソードは、自由の女神像が単なるフランスからの贈り物ではなく、アメリカ市民自身の参加によって完成したモニュメントであることを示しています。
観光で行くならここを押さえる|自由の女神像への行き方
自由の女神像へはフェリーでしか行けません。
出発地は2か所あります。
・マンハッタン側:Battery Park
・ニュージャージー側:Liberty State Park
どちらからでもリバティ島へ行けますが、フェリーは必ず事前予約制です。現地でふらっと乗れる観光船とは違うので注意が必要です。


公式の予約・チケット販売は、現在 Statue City Cruises が唯一の正規運航会社となっています。
公式予約サイト:
https://www.statuecitycruises.com/
チケットは大きく分けて以下の種類があります。
・General Admission(島への上陸のみ)
・Pedestal Reserve(台座エリアまで入場可)
・Crown Reserve(王冠内部まで入場可・人数制限あり)
特に Crown Reserve(王冠)は数か月前に売り切れることも多いため、旅行日程が決まったら早めの予約がおすすめです。
なお、自由の女神像を「海から眺めるだけ」の安価なクルーズも周辺にはありますが、島に上陸できるのはこの公式フェリーのみです。
最寄り地下鉄駅とアクセス方法(初めてでも迷わない)
自由の女神像へ向かうフェリーが出る Battery Park(マンハッタン側) へは、地下鉄でのアクセスが非常に便利です。
Battery Park への主な最寄り駅は以下の通りです。
・South Ferry(1番線)
・Bowling Green(4・5番線)
・Whitehall St(R・W番線)
いずれの駅からも、地上に出て徒歩数分で Battery Park に到着します。案内表示も多く、初めてでも迷いにくいエリアです。
実際の位置関係を確認するには、以下のマップが便利です。
・Googleマップで見る(Battery Park)
https://www.google.com/maps/search/?api=1&query=Battery+Park
・MTA公式マップ(ニューヨーク地下鉄路線図一覧ページ) https://new.mta.info/maps
※このページから「Subway Map」を選択することで、最新の地図(PDF版やライブマップ)にアクセスできます。
Google Maps では「Statue City Cruises Battery Park」と検索すると、フェリー乗り場までの徒歩ルートも確認できます。
なお、フェリー乗船前には空港のセキュリティチェックに近い手荷物検査があります。
大きなバックパックやスーツケースは持ち込み禁止で、リバティ島内にコインロッカーもありません。
身軽な荷物で訪れるのが基本です。予約時間の30分〜45分前には到着しておくと安心です。

実際に行く前に知っておきたい観光のコツ
- 王冠内部に入るには別チケットが必要
- 所要時間は半日程度を見ておく
- 午前中の方が混雑しにくい
写真撮影はフェリー上もおすすめです。
自由の女神像は「近くで見る」と「遠くから見る」で印象が大きく変わります。

実は無料で見られる?スタテンアイランド・フェリーという裏技
「できるだけ予算を抑えたい」「時間がなくて島に上陸する余裕がない」という人におすすめなのが、スタテンアイランド・フェリーです。
このフェリーは、マンハッタンとスタテン島を結ぶ公共交通機関で、24時間・完全無料で利用できます。観光用ではありませんが、航路の途中で自由の女神像のすぐ近くを通るため、海上からしっかりと姿を見ることができます。
注意点として、このフェリーではリバティ島やエリス島に上陸することはできません。あくまで「見るだけ」になりますが、写真撮影や雰囲気を味わうには十分です。
時間や予算に制約がある場合は、正式フェリーと組み合わせて検討するのもひとつの方法でしょう。
まとめ
・Statue of Liberty は「自由という理念」を象徴する像
・正式名称は「世界を照らす自由」
・フランスとアメリカの友情の証として建てられた
・エッフェル塔と同じ発想の内部構造を持つ
・移民にとって希望の象徴となった
・観光ではフェリーと最寄り地下鉄駅を事前に確認するのが重要
Liberty is not just a monument to behold; it is a value we embrace as we continue to learn and move forward. (自由とは単に眺めるだけの記念碑ではありません。学び続け、前進し続ける私たちが抱くべき価値観なのです。)
参考文献
・National Park Service, Statue of Liberty National Monument
https://www.nps.gov/stli/index.htm
・Smithsonian Institution, The Statue of Liberty: A Transatlantic Story
https://www.si.edu/spotlight/statue-of-liberty
・Library of Congress, Liberty Enlightening the World
https://www.loc.gov/item/96522540/
・Merriam-Webster Dictionary, liberty / freedom
https://www.merriam-webster.com/dictionary/liberty
https://www.merriam-webster.com/dictionary/freedom


















