【海外で大流行】ジャンクジャーナルとは?意味やスクラップブックとの違い、簡単な始め方を徹底解説

映画の半券、旅先で受け取ったカフェのコースター、捨てるには惜しい包装紙。引き出しの隅にそうした紙片がたまっていく感覚は、国や言語を問わず多くの人が持っているだろう。

その「捨てられない紙ものたち」を一冊にまとめ、自分だけの本に仕立てる手芸が ジャンクジャーナル(junk journaling)である。近年、英語圏のSNSを中心に静かな広がりを見せ、日本のYouTubeやTikTokでも作品づくりの動画が数多く投稿されている。

この記事では、言葉の由来から海外SNSでのリアルな使われ方、初心者向けの始め方までをわかりやすく解説する。

この記事でわかること

  • ジャンクジャーナルという言葉の意味と由来
  • スクラップブックやコラージュとの違い
  • 海外SNSでの使われ方と、英語のリアルな用例
  • 初心者でも始められる道具と手順
  • 日本語の感覚で近い表現と、その文化的な背景

※本ページにはプロモーションが含まれています

目次

海外SNSで話題の「ジャンクジャーナル」とは?

ジャンクジャーナルとは、リサイクル素材や手元にある紙ものを使って手作りする、一冊のノートあるいは本を指す。封筒、包装紙、古本のページ、チケットの半券、ダイレクトメール、布の端切れなど、本来であれば処分されていたであろう素材を綴じ合わせ、貼り重ねていく。完成品は日記にもアルバムにもなり、それ自体を一つのアート作品とみなす作り手も多い。

材料となる素材に厳密なルールはなく、書き込みを中心にする人もいれば、文章をほとんど入れずコラージュだけで構成する人もいる。

「決まりがないこと」そのものが、この手芸の核にある魅力だと語られることが多い。

言葉の由来と歴史 ― なぜ「ジャンク(ガラクタ)」と呼ぶのか?

名前にある junk(ガラクタ、不要物)は、完成品の質を指す言葉ではない。使う素材が「本来なら捨てられるもの」であることを表している。雑誌の切り抜きや古い切手といった、それ単体では価値が見いだしにくい紙片を、貼り合わせることで愛着のある一冊へと変えていく。ある作り手はこの営みを「ガラクタを宝物に変えること」と表現している。

19世紀のスクラップブックから現代のTikTokまで

言葉そのものの正確な起源、つまり誰がいつ「junk journal」という言葉を作ったのかは、はっきりとは記録されていない。複数の解説が共通して指摘するのは、それが突然生まれたものではなく、いくつかの古い習慣から少しずつ形を変えてきたという点である。

  • 19世紀の スクラップブック:写真や切り抜き、カードなどを一冊に貼って記念に残す習慣。中流・上流階級の女性のあいだで広まった。
  • コモンプレイス・ブック(commonplace book):引用や詩、覚え書きを一冊に書き集める、さらに古い記録の形。
  • アルタード・ブック(altered book):古書のページに絵の具や紙を重ね、別の作品へと作り変えるミクストメディアの手法。

こうした歴史のうえに、安価な紙ものや身のまわりの不要物を活用する近年のものづくり志向が重なり、現在のジャンクジャーナルの輪郭ができあがっていった。言葉そのものが広く検索されるようになったのは2010年代後半以降とされ、YouTubeやPinterestでの作品共有を経て、ここ数年はTikTokでの流行が新たな作り手を呼び込んでいる。

盛り上がりの中身は、プラットフォームごとに表情が異なる。

Pinterest はページ構成や配色のインスピレーションを探す場として、YouTube は数分から十数分の長尺の制作動画や「flip-through」(完成した一冊をめくって見せる動画)の置き場として使われ、紙をめくる音や貼る音を楽しむASMR・癒やし動画としても人気を集めている。一方 TikTok や Instagramのリール では、1分未満でテンポよく制作過程を見せる短い動画が主流だ。同じ趣味でも、じっくり見る場と、サクッと消費する場が共存しているのが現在の空気感である。

【注意点】流行の裏で起きている「商業化」への指摘

流行が広がるとともに、ジャンクジャーナル専用の素材も一つの市場になった。あらかじめ古びた風合いに印刷された紙、エフェメラパック、ダウンロードして印刷できるデジタル素材などが、数多く販売されている。便利な一方で、「本来は身のまわりの不要物を生かす手芸だったはずなのに、専用素材を買い集める消費に傾いている」という声も海外のコミュニティから上がっている。何をもって「ジャンク」とするかは作り手それぞれの考えに委ねられており、正解があるわけではない、というのが実情だ。

ジャンクジャーナルと「スクラップブッキング」「コラージュ」の違い

「コラージュやスクラップブックと何が違うのか」という疑問は、日本でも英語圏でも繰り返し語られてきた。境界はゆるやかで重なり合う部分も大きいが、おおまかな傾向としては次のように整理できる。

項目ジャンクジャーナルスクラップブッキングコラージュ(単体作品)
形態不揃いの紙ものを綴じた手作りの本既製のアルバムやブックが土台一枚の台紙に貼り構成する平面作品
素材不要物・ありあわせの紙ものが主体写真や記念品が中心紙片・画像など表現上の素材
主な目的記録・表現・手芸そのものの楽しみ思い出や出来事の整理・保存視覚的な表現
型・ルールほとんどなく自由度が高いある程度の構成や様式がある構図はあるが自由
思い出との関係自分の思い出に限らない素材も使う作り手自身の記録が中心必ずしも記録ではない

スクラップブックが「自分の記録を整理して残す」方向に重心があるのに対し、ジャンクジャーナルは「素材そのものを楽しみ、手作りの本という形にする」方向に振れている、と捉えるとわかりやすい。バレットジャーナルやコラージュ手帳なども含め、近い手帳カルチャーのなかでの位置づけを示すと、次のようになる。

海外のSNSで使われる英語表現とハッシュタグ

英語圏のコミュニティには、独特の語彙とハッシュタグがある。いくつか押さえておくと、海外の投稿がぐっと読み解きやすくなる。

#junkjournal だけじゃない!知っておきたい関連ワード(Ephemeraなど)

SNSでは #junkjournal や #junkjournalideas といったハッシュタグが定着しており、制作の過程を見せる投稿には #junkjournalwithme もよく使われる。作品の見開きは「spread」 完成した一冊をめくって見せる動画は「flip-through」と呼ばれる。

なかでも頻出する必須キーワードが ephemera(エフェメラ)である。本来は使い捨てられるはずの紙の印刷物のチケット、切符、包装紙、古い切手、領収書などを指す言葉で、ジャンクジャーナルの素材そのものを表す。海外の作り手は「ephemera を集める」「ephemera pack(素材セット)」といった言い回しを日常的に使う。この一語を知っているかどうかで海外コミュニティの会話の入りやすさが変わる、雰囲気をつかむうえでの鍵となる単語だ。

日常会話での使われ方・例文

英語では、名詞としても動詞的にも使われる。一冊の作品を指すときは a junk journal、その制作という行為や趣味を指すときは junk journaling という形をとる。

① I started a junk journal to use up all the ticket stubs I’d been keeping. (ずっと取っておいた半券を使い切るために、ジャンクジャーナルを始めた)

② She spends her weekends junk journaling at the kitchen table. (彼女は週末になると、キッチンのテーブルでジャンクジャーナルを作って過ごす)

③ This whole spread is made from junk mail and old envelopes. (この見開きは、ぜんぶダイレクトメールと古い封筒でできている)

①は趣味としての一冊を指す名詞、②は制作という行為を表す動名詞、③は使った素材を語る文脈での用例である。いずれも「特別な画材ではなく、身のまわりのものから作る」という含みが、言葉のうしろに共通して流れている。

初心者向けジャンクジャーナルの簡単な始め方

道具はごく簡単なものから始められる。ノート、のりやテープ、はさみ、そして貼りたい紙もの。これだけあれば最初の一ページはつくれる。日本では100円ショップ(ダイソーやセリアなど)の素材から始める人も多く、初期費用をほとんどかけずに試せるのも魅力だ。手順としては、おおよそ次のような流れになる。

  • 素材を集める:チケット、レシート、包装紙、古い手紙、雑誌の切り抜きなど、惹かれたものを取っておく。
  • 土台を決める:紙を厚く貼り重ねるため、膨らみに余裕のあるノートやリングノートが扱いやすい。
  • テーマをゆるく決める:旅の記録、季節、好きな色など。素材選びの軸ができ、作りやすくなる。
  • 背景から貼る:大きめの紙を背景に敷くと、白い余白の圧迫感がやわらぐ。
  • 重ねて装飾する:マスキングテープやスタンプ、レース、手書きの文字などで奥行きを出す。

書き込みは必須ではない。文章を添えてもよいし、貼るだけでもよい。古紙をコーヒーや紅茶で染めて古びた風合いを出す「エイジング加工」など、素材づくりそのものを楽しむ作り手もいる。完成度を競うものではなく、白紙への気後れなく手を動かせる点が、続けやすさにつながっている。

日本独自の美意識「もったいない」「見立て」との共通点

ジャンクジャーナルという語は、日本ではそのまま外来語として使われ、SNS上の作品も「ジャンクジャーナル」「コラージュ手帳」といった呼び方で広く投稿されている。とはいえ、その底にある感覚は、決して新しく輸入されたものばかりではない。日本にも古くから通じる手ざわりがある。

ひとつは もったいない の精神である。まだ使えるもの、捨てるには惜しいものに価値を見いだし、別の形で生かそうとする態度は、不要物を素材に変えるジャンクジャーナルの発想と響き合う。

もうひとつは 見立て の感覚だ。あるものを別の価値あるものとして見る目:包装紙を背景紙として、半券を旅の証として捉え直す視点は、日本の美意識に長く根づいてきた。

伝統的な工芸にも近い形がある。貼交屏風(はりまぜびょうぶ)は、種々の書画や織物の裂地を一双の屏風に貼り交ぜたもので、記念や記録として残す習わしから生まれた。同じものは一つとしてなく、集めた断片を一つの面に綴じ合わせて愛でるという点で、ジャンクジャーナルとよく似た楽しみ方を含んでいる。

現代に目を移せば、既製のノートに好きな紙ものを貼っていく コラージュ手帳、紙ものを小さくまとめて友人と交換する おすそ分けファイル、自由なカスタマイズを前提とした トラベラーズノート の文化など、近い感覚の手帳づくりはすでに各所に根づいている。ジャンクジャーナルは、これらと地続きにある手芸といえる。

捨てられるはずだった紙片に、もう一度居場所を与える。その小さな捉え直しこそが、この手芸が言語や世代を越えて静かに続いている理由なのだろう。

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