Fanum Taxとは何?Gen Alphaが使う人気スラングを例文付きで紹介

「Fanum Tax(ファナム・タックス)」

今回紹介するのは、脈絡なく登場するこの謎の言葉。

直訳すれば「ファナム税」ですが、税金の話は一切出てきません。

この言葉は、ただのネットスラングにとどまらず、いまの英語圏の若者文化

配信者コミュニティの内輪ネタが、どうやって世界的なミームへと膨らんでいくのか

を、そのまま体現した好例です。

この記事では、意味そのものだけでなく、「なぜこの言葉が生まれ、どう広がったのか」 という背景まで含めて、例文つきで整理します。

読み終える頃には、英語圏のタイムラインで見かけても、迷わず意味とニュアンスを掴めるはずです。

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目次

Fanum Tax の意味

発音は /ˈfænəm tæks/

Fanum は “phantom” から t を抜いたような音で読みます。

いちばん基本の意味はシンプルです。

友達の食べ物を、少しだけ“もらう(徴収する)”こと。

一緒にいる誰かがスナックやランチを食べているとき、「ちょっとくれよ」と一口・ひとつまみだけ分け前を取る。

あの行為に名前がついたもの、と考えるとわかりやすいです。

ミレニアル世代が使ってきた “sharing is caring(分け合うことは思いやり)” を、Gen Alpha流にユーモラスに言い換えたような感覚と考えるとイメージしやすいかもしれません。

厳密な同義語というより、あの「分け合う文化」を連想させるノリの言葉です。

ポイントは、基本的に悪意のない、ふざけ合いの言葉だということ。

「盗む」という強い意味ではなく、「仲間だから少しは分けろよ」という、じゃれ合いのニュアンスで使われます。


誰が言い出した? 言葉の背景

この言葉は、Fanum というストリーマーの名前から来ています。彼はニューヨーク・ブロンクス出身、ドミニカ系のクリエイターで、人気配信者 Kai Cenat らが所属する配信者グループ AMP(Any Means Possible)のメンバーです。

始まりは2022年後半。

Fanum は配信中、仲間が食事をしていると、その一口・一部を「税だ」と言いながらもらう、という悪ふざけを繰り返していました。とくに有名なのが2022年12月、クリスマス配信で Fanum が乱入し、Kai Cenat のクッキーを奪ったエピソード。

これがきっかけで、Fanum が食べ物を“徴収”する行為そのものが 「Fanum Tax」 と呼ばれる定番ネタになっていきます。

Fanum 本人は、この言葉を「悪いこと」と捉えないでほしいと語っています。

要約すれば「友達から取り上げるって意味に誤解されがちだけど、そうじゃない。仲間に食わせてやれって話。5%、10%くらいの分け前、それが tax なんだ」

つまり彼にとっては、奪うことより “分け合う”文化 に近いニュアンスなのです。


なぜ、ここまで広がったのか

内輪ネタが世界的なスラングへと化けた分岐点は、2023年10月です。

TikTok上で、Gen Z・Gen Alphaが多用するスラングを片っ端から詰め込んだパロディ曲 “Sticking Out Your Gyatt for the Rizzler” が大流行しました。

この曲の歌詞には、”skibidi”・”gyatt”・”rizz”・”sigma” といったネットスラングと並んで “fanum tax” が登場します。歌詞そのものは、意味が通るように作られていません。むしろ 「若者のスラングは、使われすぎて意味を失っている」 という状況を、あえてナンセンスに並べて茶化すのが狙いでした。

この曲はTikTokで爆発的に拡散し、世界中で使われるようになりました。

ここで “fanum tax” は、「食べ物の分け前」という原義を離れ、意味を持たない“語感ネタ”としても使われる言葉へと変化します。いまでは「意味を伝える」というより、スラングを並べて語感そのものを楽しむ使われ方が広がり、Gen Alpha文化を象徴する言葉のひとつになっています。

こうした、意味のないスラングを羅列するノリは、英語圏で “brain rot”(ブレインロット=脳が溶ける) と呼ばれます。実際「brain rot」は2024年のオックスフォード辞書「Word of the Year」に選ばれ、英語圏ネット文化を代表するキーワードとして定着しました。”fanum tax” は、その brain rot 的な言葉遊びの代表格でもあります。

2024年には、Kai Cenat の配信に俳優 John Cena が登場した回でも「Fanum Tax」のネタが披露され、配信者コミュニティの外・・より一般的な層にまでミームが知られるきっかけになりました。


使い方 3タイプ

同じ “fanum tax” でも、文脈によって意味が大きく変わります。大きく3つに整理できます。

  1. 原義(食べ物) — 友達の食べ物を少しもらう。もっとも素直な使い方。
  2. 比喩(不当な徴収) — 食べ物以外にも拡張し、「不当に取られた/削られた」ものを指す。動詞としても使われ、”fanum tax evasion(脱税)” のような言葉遊びも生まれています。
  3. ナンセンス(brain rot) — 意味を成さない語感ネタ。他のスラングと並べて、内輪のノリで使う。ときに「イケてる」といった意味で投げられることも。

例文で見る使い方

原義(食べ物)

  • You ate my fries? That’s a fanum tax. (俺のフライ食べたの? それ fanum tax じゃん) → 一口取られたことを、ふざけて咎めるニュアンス。
  • Let me get a little fanum tax on those chips. (そのポテチ、ちょっと fanum tax させて) → 「少し分けて」を冗談めかして言う。

比喩(不当な徴収)

  • All the good parking spots got fanum taxed. (いい駐車スペースが全部取られてた) → 食べ物とは無関係。「軒並み持っていかれた」という比喩。

ナンセンス(brain rot)

  • 他のスラングと連ねて、意味よりノリで使うパターン。この場合、真面目に和訳しようとすると逆に的を外します。「内輪の言葉遊び」 と受け取るのが正解です。

使うときのニュアンス・使い分け

  • フォーマルな場面ではNG: 完全にカジュアルなスラングです。学校の作文やビジネスメールで使うと、一気に軽く見えます。
  • 相手を選ぶ: じゃれ合いが前提なので、初対面の相手や真剣な場面で使うと、ただの「奪う」に聞こえかねません。気心の知れた相手向けです。
  • “brain rot”文脈では意味を追いかけない: スラングを並べたナンセンス用法では、一語ずつ訳そうとするより、「ふざけている」という空気ごと理解するほうが正確です。
  • 税金の話ではない: 直訳の「税」に引っ張られないよう注意。あくまで「分け前」「持っていかれた」の比喩です。

よくある質問(FAQ)

Q. Fanum Tax(ファナム・タックス)とはどういう意味?

 A. 基本の意味は「友達の食べ物を少しだけもらう(徴収する)こと」です。そこから転じて、「不当に取られた/持っていかれた」ものを指す比喩や、意味を持たない brain rot 系の語感ネタとしても使われます。文脈によって意味が変わる言葉です。

Q. Fanum Tax は悪口? 

A. 基本的には悪口ではありません。仲間内での、悪意のないふざけ合いから生まれた言葉です。ただしカジュアルなスラングなので、真剣な場面や初対面の相手に使うと、ただ「奪う」ニュアンスに聞こえることもあります。相手と場面は選ぶのが無難です。

Q. Fanum(ファナム)って誰?

 A. アメリカ・ブロンクス出身、ドミニカ系のストリーマーです。人気配信者 Kai Cenat らが所属する配信者グループ AMP(Any Means Possible)のメンバーで、配信中に仲間の食べ物を“徴収”するネタから、この言葉が生まれました。

Q. Fanum Tax は今でも使われている? 

A. はい。原義の「食べ物を分けてもらう」用法に加え、brain rot 的なネタとしても定着しており、XやTikTokなどで今も見かけます。スラングは移り変わりが早いため勢いは変化していきますが、Gen Alpha文化を語るうえで象徴的な言葉として知られています。


まとめ

「Fanum Tax」は、

  • 原義:友達の食べ物を少しもらう(=分け合う文化のじゃれ合い)
  • 比喩:不当に取られた/削られたものを指す
  • ナンセンス:意味を持たない brain rot 系の語感ネタ

という3層を持つ言葉です。配信者 Fanum の内輪ネタが、1本のパロディ曲をきっかけに世界的なスラングへ膨らんだ——その経緯そのものが、いまの英語圏ネット文化の縮図になっています。単語の意味だけでなく「どう生まれ、どう広がったか」まで押さえておくと、実際にタイムラインで見かけたときの解像度がぐっと上がります。


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